KNOPPIXの基礎(4/9)

第4章 環境設定

1. ネットワークの設定

(1) DHCPによる設定

   KNOPPIXはデフォルトでDHCPサーバを使用する設定になっています。DHCPサーバがネットワーク内に存在すれば特に設定することなくネットワークを利用することができます。

(2) 固定IPアドレスの設定

   学校では職員室や実習室ごとに固定のIPアドレスを体系的に割り振って管理している場合も多いと思います。このような環境下でKNOPPIXを使用する場合は、以下の操作でIPアドレスを設定します。

1) Kメニューより[KNOPPIX]-[Network/Internet]-[ネットワークカードの設定]を選択し実行します。

2) Xdialogが表示されたら[No]を選択します[*1]


図4-1 DHCP使用の可否
[*1]DHCPサーバを使用する環境に戻す場合は[Yes]とするだけで設定が変更される。

3) 次に設定するIPアドレスを入力し、[OK]を選択します。


図4-2 IPアドレスの入力

4) 次にネットワークマスクを入力し、[OK]を選択します(自動判別される)。


図4-3 ネットワークマスクの入力

5) 次にブロードキャストアドレスを入力し、[OK]を選択します。


図4-4 プロードキャストアドレスの入力

6) 次にデフォルトゲートウェイを入力し、[OK]を選択します。


図4-5 デフォルトゲートウェイの入力

7) 次にネームサーバ(DNS)[*2]を入力し、[OK]を選択します。


図4-6 ネームサーバの入力
[*2]ネームサーバを複数指定する場合は間に半角スペースを入れて続けて入力する。

8) KNOPPIXを再起動することなくネットワークの設定が更新されます。

2. デスクトップの設定

   KNOPPIXでは利用者の好みに合わせてデスクトップ環境をカスタマイズすることができます。

1) Kメニューより[設定]-[デスクトップ設定ウィザード]を選択し実行します。

2) 「国」と「言語」を選び、[次へ]を選択します。


図4-7 ステップ1:導入

3) 好みのシステム動作を選び、[次へ]を選択します。


図4-8 ステップ2:私の好きなようにしたい
システム名 主なシステム動作
KDE 選択:シングルクリック
タイトルバーダブルクリック:ウインドウを隠す
UNIX 選択:シングルクリック
タイトルバーダブルクリック:ウインドウを隠す
Microsoft Windows 選択:ダブルクリック
タイトルバーダブルクリック:ウインドウ最大化
Apple MacOS 選択:シングルクリック
タイトルバーダブルクリック:ウインドウを隠す

4) ビジュアル効果を設定し、[次へ]を選択します。


図4-9 ステップ3:Eyecandy-O-Meter

5) スタイルを選択し、[次へ]を選択します。




図4-10 ステップ4:みんなが好きなテーマ

KDEクラシック

Keramik

Plutinum

Redmond

Sunshine

6) [完了]を選択し、設定を反映させます[*3]


図4-11 ステップ5:精錬の時
[*3]デスクトップの詳細な設定は、Kメニュー[設定]−[コントロールセンター]でも行えます。

3. 入出力環境

   KNOPPIXには優れた自動認識機能(Autoconfig)があります。起動後に入出力デバイスについての細かな調整を行う場合はKDEコントロールセンターで行います。

(1) KDEコントロールセンターの起動

   KDEコントロールセンターの起動は、Kメニューの[設定]−[コントロールセンター]を選択します。


図4-12 コントロールセンターの画面

(2) 表示

   [表示]を選択すると、スクリーンサイズや垂直リフレッシュレートを調整できます。


図4-13 モニタの設定

(3) キーボード

   [キーボード]を選択すると、キーボードの設定ができます。


図4-14 キーボードの設定

(4) マウス

   [マウス]を選択すると、マウスの設定ができます。


図4-15 ポインタデバイスの設定

(5) デジタルカメラ

   コントロールセンターの[デジタルカメラ]では、市販されているディジタルカメラの機種を選択して登録し、gtkamなどのアプリケーションで入力デバイスとして利用することができます。


図4-16 デジタルカメラの設定

4. プリンタの設定

   KNOPPIXは日本で発売されている主なプリンタに対応しており、プリンタの設定も簡単に行うことができます。プリンタの設定は次のように行います。

1) KNOPPIXが動作しているPCにプリンタを接続して電源を入れておきます。

2) Kメニューから[KNOPPIX]−[Configure printer(s)]を実行すると、次のような[印刷マネージャ]画面が表示されます[*4]。ここで、次の2点を確認します。

[*4]コントロールセンターからでも実行することができる。
[*5]UNIX/Linuxで動作する印刷システムです。印刷プロトコルとしてIPPを利用している。

[*6]IPP (Internet Printing Protocol)のポート

図4-17 印刷マネージャの画面

3) 画面左上の[追加]ボタンをクリックして、[プリンタ/クラスの追加]を選びます。

4) プリンタ追加ウィザードが起動したら[次(N)>]をクリックします。


図4-18 プリンタ追加ウィザード(導入)

5) バックエンド(プリンタの接続形態)を指定して[次(N)>]をクリックします。


図4-19 プリンタ追加ウィザード(バックエンド選択)

6) 接続されているプリンタのポートを指定して[次(N)>]をクリックします。


図4-20 プリンタ追加ウィザード(ローカルポート選択)

7) プリンタの機種を選択して[次(N)>]をクリックします。


図4-21 プリンタ追加ウィザード(プリンタモデル選択)

8) 複数のプリンタドライバが表示されたら、使用するドライバを選択して[次(N)>]をクリックします。


図4-22 プリンタ追加ウィザード(ドライバ選択)

9) プリンタのテスト画面でテスト印刷やプリンタドライバの設定を行います。問題がなければ[次(N)>]をクリックします。


図4-23 プリンタ追加ウィザード(プリンタテスト)

図4-24 設定画面

10) バナーの設定(ここでは「バナーなし」)をして[次(N)>]をクリックします。


図4-25 プリンタ追加ウィザード(バナーの選択)

11) クオータの設定(ここでは「クオータ無し」)をして[次(N)>]をクリックします。


図4-26 プリンタ追加ウィザード(プリンタのクオータの選択)

12) ユーザアカウント設定(ここではデフォルトのまま)をして[次(N)>]をクリックします。


図4-27 プリンタ追加ウィザード(ユーザアカウントの選択)

13) プリンタの名前を入力して[次(N)>]をクリックします。


図4-28 プリンタ追加ウィザード(一般情報)

14) 確認の画面で設定内容を確認して問題がなければ[完了(F)>]をクリックして設定は終了です。


図4-29 プリンタ追加ウィザード(確認)

15) アプリケーションから印刷を実行した際に、設定されたプリンタを選択することができます。


図4-30 KWriteからの印刷を実行

5. 環境設定の保存と読み込み

   KNOPPIXはCD-ROMから起動してRAMディスク上のファイルシステムを利用して動作していますので、設定の変更やRAMディスク上に保存されたデータは再起動すれば消去されてしまいます。しかし、KNOPPIXではこれら設定ファイルやデータを保存して、次回の起動時に読み込む仕組みが用意されています。

(1) 設定の保存(例:USBメモリ)

   環境設定で保存できる内容は以下のとおりです。

   ここでは比較的容量の大きいリムーバブルなデバイスとして手軽に利用できるUSB接続のフラッシュメモリ(以下、USBメモリ)にKNOPPIXの設定を保存する方法を説明します。


図4-31 USBメモリ(128MB、64MB)

1) USBメモリを接続するとデスクトップ上にUSBデバイスのアイコンが表示されます。


図4-32 USBデバイスのアイコン

2) USBデバイスのアイコンを右クリックして、表示されるメニューから[マウント]を実行します[*7]


図4-33 マウントを実行
[*7]UNIX系OSでは、各デバイスは「マウント」という作業を実行しないとそのデバイスにアクセスできません。ただし、「継続的なホームディレクトリの作成」などを実施している場合は、KNOPPIXが自動的にマウントしてアクセスします。KNOPPIXの起動中にUSBメモリやフロッピーディスクなどマウントされているデバイスを抜く場合は「マウント解除」する必要があります。

3) Kメニューより[KNOPPIX]-[Configure]−[KNOPPIXの設定を保存]を選択し実行します。

4) 保存する設定ファイルの種類を選び[OK]を選択します[*8]


図4-34 設定ファイルの種類の選択
[*8]「Desktopに含まれる全てのファイル」を選ぶ場合は保存先デバイスの容量に注意する。

5) 設定ファイル保存先のディレクトリ(マウントポイント)を選び[OK]を選択します[*9]


図4-35 保存用ディレクトリの選択
[*9]表示されるディレクトリは環境によって異なります。なお、USBメモリはsdxxと認識される。
表4-1 マウントポイントと保存先
ディレクトリ例 保存先[*10]
/mnt/floppy フロッピーディスク
/mnt/sda1 SCSIデバイスなど
/mnt/hda1 IDEデバイス(1台目HDD、第1パーティション)
/mnt/hda3 IDEデバイス(1台目HDD、第3パーティション)
[*10]ハードディスクのパーティションはFAT32/16、ext2などの形式でフォーマットされている必要がある。KNOPPIX3.4からWindows2000/XPで採用されているNTFSへの書きこみが制限つきで可能になった。

6) 設定ファイルがアーカイブされ保存されます(configs.tbz、knoppix.sh)。


図4-36 設定ファイルのアーカイブ

7) 起動時の指定を確認します。


図4-37 確認メッセージ

(2) 設定の読み込み

   次回起動時に保存された設定を反映させるためには、KNOPPIXが起動する際の起動オプションで指定します。

1) KNOPPIXの起動時に表示されるbootプロンプトに起動オプション「knoppix myconf=scan」を指定して自動的にデバイス内を検索して読み込ませます[*11]


図4-38 起動オプションを指定
[*11]以下のようなディレクトリを直接指定することも可能。
表4-2 起動オプション
起動オプション例 環境を保存したデバイス
knoppix floppyconfig フロッピーディスク(/mnt/floppy)
knoppix myconf=/mnt/sda1 /mnt/sda1
knoppix myconf=/mnt/hda1 /mnt/hda1

2) 自動的に環境設定が保存されているデバイスを検索し、設定ファイルを読み込みます。


図4-39 起動時の設定ファイル読み込み

6. ホームディレクトリの設定

   UNIX系OSでは、登録されているユーザが自由に利用できるホームディレクトリ(/home)というものがあります。KNOPPIXでは自動的にユーザ「knoppix」でログインされた状態で起動します。デフォルトではRAMディスク(メモリ)上に/home/knoppixが作成されるため、このままではホームディレクトリにファイルを保存しても再起動してしまえば消えてしまいます。そこでKNOPPIXでは、ホームディレクトリの場所をUSBメモリなどのデバイスに設定することができます。

(1) 継続的なホームディレクトリの作成

1) Kメニューより[KNOPPIX]-[Configure]−[継続的なKNOPPIXホームディレクトリの作成]を選択し実行します。

2) 「継続的なホームディレクトリ」の作成について確認し、[Yes]を選択します。


図4-40 「継続的なホームディレクトリの作成」の確認画面

3) 「継続的なホームディレクトリ」を作成するデバイスを選択します。


図4-41 保存先デバイスの作成

4)指定したデバイス全てをホームディレクトリにするか否かの問いに対し、[No]を選択します[*12]


図4-42 領域全体の利用を確認
[*12][yes]を選択した場合、指定したデバイス全てがホームディレクトリとなるため、環境設定などを同じデバイスに保存することはできなくなる。

5) ホームディレクトリに必要な容量(単位:MB)を指定します[*13]


図4-43 容量の指定
[*13]これにより指定された容量のイメージファイルが作成される(knoppix.img)。この容量は後から変更することは容易にはできないので計画性を持って指定する。

6) ホームディレクトリを暗号化するか否かの問いに対し、[No]を指定します[*14]


図4-44 暗号化の問い画面
[*14]USBメモリなどは小さく持ち運びに便利である反面、紛失や盗難など第三者の手に渡る可能性が高い媒体である。よりセキュリティを高める場合は、暗号化して保存する。ただし、暗号化には最小で20文字のパスワードが必要になる。

7) ext2ファイルシステムを作成中の画面が表示されます。


図4-45 ファイルシステム作成中

8)処理が完了した旨と、起動時の指定を確認します。


図4-46 完了後の確認画面

(2) 継続的なホームディレクトリの読み込み

   次回の起動時に継続的なホームディレクトリの設定を反映させるためには、環境設定と同じくKNOPPIXが起動する際の起動オプションで指定します。

1) KNOPPIXの起動時に表示されるbootプロンプトに起動オプション「home=scan」を追加して指定します。

例)boot: knoppix△myconf=scan△home=scan
図4-47 起動オプションを指定

2) 自動的にホームディレクトリのイメージファイル(knoppix.img)が保存されているデバイスを検索し、読み込みます。


図4-48 起動時のホームディレクトリ読み込み

7. スワップファイルの作成

  KNOPPIXを快適に利用する場合、起動するアプリケーションにもよりますが最低256MB以上の実メモリが必要です。実メモリが256MB以下でもスワップファイルを作成することによって、安定した動作環境を得ることができます。スワップファイル(仮想メモリ)は、USBフラッシュメモリやFAT形式のハードディスクなどに作成することができます。

(1) スワップファイルの設定

1) スワップファイルを作成する媒体(USBフラッシュメモリやハードディスクなど)をKNOPPIXに認識させます。

2) Kメニューより[KNOPPIX]-[Configure]−[スワップファイルの設定]を選択し実行します。

3) 「スワップファイルの設定」について確認し、[Yes]を選択します。

4) スワップとして使いたいディスク領域の容量を指定します。

5) スワップファイルの作成を確認します。

(2) スワップファイルの利用

  スワップファイルは次回起動時より自動で認識されます。ただし、KNOPPIX起動前にスワップファイルが保存してある媒体を装着しておく必要があります。また、スワップファイルを自動認識している状態では、スワップファイルのあるパーティションには次のような注意が必要です。

[*15]書き込み権限を与えれば可能。
[*16]スワップ領域をオフにしてマウント状態を解除すれば可能。

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