ここでは、KNOPPIXに含まれる Samba を使い、起動不能 PC をファイルサーバとして認識させ、ネットワーク経由で他の Windows 系 PC からデータをバックアップする方法を示します。
Samba とは、Linux、FreeBSD、Solaris や HP-UX といった UNIX 系 OS において Windows 系 OS 互換用のファイルサーバ、プリントサーバ機能を提供するソフトウェアです。
このソフトウェアは、オーストラリアの Andrew Tridgell 氏らによって1992年に開発されました。 現在は、Quantum 社の Andrew Tridgell 氏やVA Software 社の Jeremy Allison 氏らによる専任の担当者によって、開発・サポートが行われています。もちろん、日本人を含めた世界中のボランティアの方も多数参加しています。
日本では、日本Sambaユーザ会がオリジナルに対して、日本語取扱の改良・変更 を加えた「Samba日本語版」を配布しています。
KNOPPIX では、smb.conf の設定を直接変更しなくても、ファイル救済用サーバとして Samba を簡単に使用することができます。
デフォルトでは smb.conf ファイルに NetBIOS名の設定がありません。この場合ホスト名[*1]がそのまま使用されます。任意のコンピュータ名をつけるために、ホスト名を変更します。
[*1]デフォルトでは「KNOPPIX」です。
[*]直接 smb.conf ファイルを変更しても、メニューから Samba を起動すると、smb.conf ファイルがデフォルトの状態に書き換えられるため、ここではホスト名を変更します。
1)Root Shell の起動
画面下部のパネルにあるKNOPPIXアイコン
をクリックして、表示されたメニューの最下部にある「Root Shell」を選択します。
図2-1 Root Shellの起動
2)ホスト名の変更
hostname コマンドに続けて新しいホスト名を入力します。
図2-2 ホスト名の変更
1)Samba の起動
画面下部のパネルにあるペンギンのアイコンをクリックして、表示されたメニューから「Services」−「Start Samba Server」の順に選択します。
図2-3 Sambaの起動
2)パスワードの設定
「Set Password for user 'knoppix'」と書かれたダイアログのテキストボックスに、ネットワーク上のほかのPCからアクセスするユーザ「knoppix」のパスワードを設定して「OK」をクリックします。[*] KNOPPIX の Samba では一般に接続できるユーザは 「knoppix」 のみになります。
図2-4 パスワードの設定
3)パスワードの再入力
「Retype password」と書かれたダイアログに、再度パスワードを入力し「OK」をクリックします。これで入力間違いがないかどうかを確認します。
図2-5 パスワードの再入力
4)公開の確認
「Configure and start Samba」というタイトルのダイアログが表示されます。ここで「Yes」をクリックします。ここまでの作業が終了すれば、KNOPPIX で認識されているすべてのディスク領域が、ネットワーク上のほかの PC から参照できるようになります。
図2-6 公開の確認
1)マイネットワークを開く
デスクトップ上の「マイネットワーク」アイコンをダブルクリックし、マイネットワークのウィンドウを開きます。
図2-7 マイネットワーク(Windows 2000)
2)コンピュータの検索
「検索」ボタン
をクリックします。「コンピュータ名」欄に KNOPPIX のホスト名を入力し、「検索開始」ボタン
をクリックすると、右側に KNOPPIX (ファイルサーバ)が表示されます。
図2-8 コンピュータの検索(Windows 2000)
3)KNOPPIX (ファイルサーバ)の共有ディレクトリを開く
検索結果で表示された KNOPPIX (ファイルサーバ)のアイコンをダブルクリックすると、「ネットワークパスワードの入力」というタイトルのダイアログが表示されます。ここで、次のように入力します。
ユーザ名 ・・・ knoppix[*2] パスワード ・・・ [*3]
[*2]小文字
[*3]KNOPPIX(ファイルサーバ)で設定したパスワード
入力後、「OK」をクリックします。入力したパスワードが正しければ、KNOPPIX (ファイルサーバ)で認識されているデバイス類がアイコンで表示されます。
図2-9 認証(Windows 2000)
図2-10 KNOPPIXの共有一覧(Windows 2000)
1)マイネットワークを開く
スタートメニューから「マイネットワーク」を選択し、マイネットワークのウィンドウを開きます。
図2-11 スタートメニュー(Windows XP)
図2-12 マイネットワーク(Windows XP)
2)コンピュータの検索
ツールバーの「検索」ボタン
をクリックします。「コンピュータ名」欄に KNOPPIX のホスト名を入力し、すぐ下の「検索」ボタン
をクリックすると、右側に KNOPPIX (ファイルサーバ)が表示されます。
図2-13 コンピュータの検索(Windows XP)
3)KNOPPIX (ファイルサーバ)の共有ディレクトリを開く
検索結果で表示された KNOPPIX (ファイルサーバ)のアイコンをダブルクリックすると、「○○に接続」というタイトルのダイアログが表示されます。ここで、次のように入力します。
ユーザ名 ・・・ knoppix[*4] パスワード ・・・ [*5]
[*4]小文字
[*5]KNOPPIX(ファイルサーバ)で設定したパスワード
入力後、「OK」をクリックします。入力したパスワードが正しければ、KNOPPIX (ファイルサーバ)で認識されているデバイス類がアイコンで表示されます。
図2-14 認証(Windows XP)
図2-15 KNOPPIXの共有一覧(Windows XP)
1)Windows 98 のログオン
あらかじめユーザ名[knoppix」でログオンします。
ユーザ名 ・・・ knoppix[*6] パスワード ・・・ (任意)
[*6]小文字
2)検索:コンピュータを開く
スタートメニューから「検索」−「ほかのコンピュータ」を順に選択します。
図2-16 スタートメニュー(Windows 98)
3)コンピュータの検索
「名前」欄に KNOPPIX のホスト名を入力し、右側の「検索開始」ボタン
をクリックすると、下側に KNOPPIX (ファイルサーバ)が表示されます。
図2-17 コンピュータの検索(Windows 98)
4)KNOPPIX (ファイルサーバ)の共有ディレクトリを開く
検索で表示された KNOPPIX (ファイルサーバ)のアイコンをダブルクリックすると、「ネットワークパスワードの入力」というタイトルのダイアログが表示されます。ここで、次のように入力します。
パスワード ・・・ [*7]
[*7]KNOPPIX(ファイルサーバ)で設定したパスワード
入力後、「OK」をクリックします。入力したパスワードが正しければ、KNOPPIX (ファイルサーバ)で認識されているデバイス類がアイコンで表示されます。
図2-18 認証(Windows 98)
図2-19 KNOPPIXの共有一覧(Windows 98)
KNOPPIX(ファイルサーバ)の Windows 領域は「hda1」[*8]という名前の付いたアイコンで表示されています。これを開き、ドラッグ&ドロップ操作でバックアップしたいデータをネットワーク経由で Windows クライアントにコピーします。
[*8] IDEデバイスのハードディスクパーティションが複数ある場合は「hdxy」のxとyの部分が次のようになります。
1台目HDD 第1パーティション hda1 第2パーティション hda2 2台目HDD 第1パーティション hdb1 第2パーティション hdb2
メニューから Samba サーバを起動すると、 smb.conf がデフォルトの状態に書き換えられます。 直接 smb.conf を変更した場合は root 権限でコンソールから起動、再起動します。
起動 /etc/init.d/samba start 停止 /etc/init.d/samba stop 再起動 /etc/init.d/samba restart
Samba の設定は、設定ファイル/etc/samba/smb.conf を書き換えて行います。
smb.conf は大きく分けて、四つのセクションからなります。
表2-1
セクション名 設定内容 [global] システム全体の設定と、各共有の共通の値(デフォルト値)の設定をします。 [homes] Linux上のユーザホームディレクトリを公開する設定をします。 [printers] プリンタ共有についての設定をします。 [共有名(任意)] 通常のディレクトリを公開する設定をします。
共有フォルダとして公開したいディレクトリの数だけセクションを作ります。
smb.conf の中から、主な設定項目を抜粋して紹介します。
表2-2
項目 設定内容 unix charset Samba が動作する UNIX マシンで使われている文字コードを指定します。
EUC-JP を指定します。display charset Samba がメッセージを出力する際に用いる文字コードセットを指定します。
cp932 を指定します。dos charset Samba が DOS クライアントと通信する際に用いられる文字コードセットを指定します。
cp932 を指定します。security セキュリティモードを設定します。
・share(共有認証モード)・・・ユーザが誰であってもパスワード制御のみでアクセスできます。
・user(ユーザ認証モード)・・・Linux アカウント使ってアクセスします。
・domain(ドメイン認証モード)・・・Linux アカウントを使ってアクセスするが、ユーザ認証は他のWindowsドメインが代行します。
・server(サーバ認証モード)・・・Linux アカウントを使ってアクセスするが、ユーザ認証は他の SMB サーバが代行します。workgroup マシンを公開する際に所属するワークグループ名を設定します。 netbios name NetBIOS名(コンピュータ名)を設定します。
初期状態では設定されておらず、ホスト名がそのまま使用されています。server string ブラウズリストからコンピュータ名を選択した際に表示されるコメントを設定します。 encrypt passwords 暗号化パスワードを使用するか否かを設定します。
使用する場合は true 、使用しない場合は false を設定します。
クライアントの OS が Windows98以降であれば true にします。invalid users ログインを許可しないユーザのリストを設定します。 valid users アクセスできるユーザのリストを設定します。 comment ブラウズリストから共有名を選択した際に表示されるコメントを設定します。 browseable ブラウズリストにこの共有を表示させるか否かを設定します。
表示する場合は yes 、表示しない場合は no を設定します。read only ディレクトリを読み取り専用にする場合は yes を設定します。 writable ディレクトリに書き込み許可を与える場合は yes を設定します。 create mode ファイル作成時のパーミッションを設定します。 directory mode ディレクトリ作成時のパーミッションを設定します。 path 公開するディレクトリを指定します。 preexec サービスへ接続した際に必ず実行されるコマンドを指定します。 postexec サービスから切断した際に常に起動されるコマンドを指定します。
[*]一般に KNOPPIX で利用するユーザは 「knoppix」 に限られます。 Windows のログオンユーザを利用するなどユーザ管理を行う場合は工夫が必要になります。