携帯電話向けコンテンツの作成

1 はじめに

 近年,携帯情報端末の普及が著しく進んでいます。総務省の「通信利用動向調査」によると,平成17年度末の時点で携帯情報端末(携帯電話・PHSを含む)を利用してインターネットに接続している人数は,初めてPCを利用して接続している人数を抜き,インターネット利用者全体の80%に達しました。携帯情報端末はPCと違い,起動する手間もなく手軽に持ち運べることもあり,今後もこの傾向は続いていくと思われます。

 学校においても,時機を逃さず情報発信することは必要不可欠です。例えば,学校行事や部活動,台風等の非常時の情報などをすぐに発信することで,保護者が早急に情報を入手できるようになり,学校と保護者との連携もよりスムーズになると考えられます。

 ここでは学校からの情報を愛知エースネット上にコンテンツとしてアップロードし,保護者が携帯電話で受信することを想定しています。コンテンツの作成から情報の発信まで,次の手順で進めていきます。

  1. ホームページ作成用ソフトウェアやエディタ等を用いて,HTML文書を作成する。
  2. 各キャリア用のシミュレータを用いて,携帯電話でコンテンツの動作確認をする。
  3. FTPクライアントを用いて,作成したコンテンツをアップロードする。
  4. アップロードしたコンテンツにアクセスしやすくするために,URLをQRコード化する。

2 HTML文書の作成

 コンテンツの元となるHTML文書を作成する際,留意事項は以下のとおりです。

 (1) 汎用性の重視

 携帯電話は,機種による機能差が非常に大きいので,「どのキャリアでも表示する」ためには,基本的なHTMLタグを使用し,テキスト中心のシンプルな文書構成にするとよいでしょう。

 (2) 情報の即時性と分かりやすさ

 学校からの情報発信は,迅速でかつ分かりやすいものが要求されます。必要な情報をスクロールすることなく,一画面で表示できるようにするなどの配慮も必要です。

学校からの情報発信例
図1 学校からの情報発信例
コンテンツ(図1)のHTMLを「メモ帳」で編集
図2 コンテンツ(図1)のHTMLを「メモ帳」で編集

3 必要なソフトウェア

 (1) 携帯電話用コンテンツの検証ツール

 作成したコンテンツが実際に携帯電話で正しく表示されるか検証する必要があります。本来は各キャリアの実機で確認するのが一番確実ですが,なかなかあらゆるキャリアの端末をそろえることはできません。
 そこで,以下に挙げる各キャリア用のシミュレータを用いて,正しく動作するか検証します。これらを用いることによって,HTMLの検証だけでなく,携帯電話対応CGIの動作確認も可能です。なお,これらはすべてWindows上で動作するフリーソフトウェアです(バージョンは平成18年11月現在)。

 (2) QRコードの作成ツール

 QRコード[*注]とは,2次元バーコードの一種であり,(株)デンソーウェーブが開発したものです。Quick Response Cordの略であり,高速読み取り・高速処理を主眼において開発された2次元バーコードです。また,純国産であるため,漢字などの2バイト文字が扱いやすいのも特徴の一つです。

[*注]QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

 携帯電話からコンテンツにアクセスする場合,URLを入力するのは大変面倒です。このQRコードを携帯電話のバーコードリーダ機能を用いて読み込むことにより,URLの入力の手間を省くことができ,コンテンツへ導きやすくなります。
 今回は,QRコード作成用ソフトウェアとして「QRWindow 2.08」を用いて手順を紹介します。なお,「QRWindow 2.08」はWindows上で動作するフリーソフトウェアです(バージョンは平成18年11月現在)。

 (3) FTPクライアント

 作成したコンテンツを,Web上に転送するため必要なソフトウェアです。ソフトウェアの種類や設定方法の詳細は,下記を参照してください。

4 ソフトウェアのダウンロード

 以下に,ソフトウェアのダウンロードの手順を示します。なお携帯電話用コンテンツの検証ツールとして,今回は「iモードHTMLシミュレータ 7.2」を例にして説明します。

 (1) iモードHTMLシミュレータのダウンロード

  1. 前記のURL http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/html/tool.htmlへアクセスし,[ダウンロード]の[iモードHTMLシミュレータ Version 7.2]をクリックします。
  2. ソフトウェア使用許諾契約書が表示されるので,[同意する(ダウンロード)]ボタンをクリックします。
  3. 任意の場所に「imodehtmlsim_72_060221.zip」を保存し,解凍します。
  4. 解凍されたフォルダ内の「setup.exe」をダブルクリックしてインストーラを立ち上げます。
iモードHTMLシミュレータ インストーラ起動画面
図3 iモードHTMLシミュレータ インストーラ起動画面
  1. インストーラの指示にしたがってインストール作業を行ってください(特に必要がなければ変更する必要はありません)。

 (2) QRWindowのダウンロード

  1. URL http://www.qrcode.org/へアクセスし,[Free Download]をクリックします。
  2. [ダウンロード]の[qrw208.exe]をクリックします。
  3. 任意の場所に「qrw208.exe」を保存します。
  4. 保存した「qrw208.exe」をダブルクリックしてインストーラを立ち上げます。
QRWindow インストーラ起動画面
図4 QRWindow インストーラ起動画面
  1. インストーラの指示に従ってインストール作業を行ってください(特に必要がなければ,設定内容はデフォルト値のままでかまいません)。

5 コンテンツの動作確認

 作成したHTMLファイルが予定どおりの動作をするかどうか,各キャリアのシミュレータを使用して確認します。ここでは,「iモードHTMLシミュレータ 7.2」を用いてNTT DoCoMo端末での動作確認を行うことにします。

  1. 「iモードHTMLシミュレータ 7.2」を起動します。
  2. 図5〜7のような三つのウィンドウが表示されます。
「iモードHTMLブラウザ」ウィンドウ
図5 「iモードHTMLブラウザ」ウィンドウ
「ログ表示」ウィンドウ
図7 [ログ表示]ウィンドウ
「iモードHTMLシミュレータ」ウィンドウ
図6 「iモードHTMLシミュレータ」ウィンドウ
  1. 一番シンプルなHTMLでの動作確認のため,図8のように「iモードHTMLシミュレータ」ウィンドウメニューの[機能]→[設定]を選択し,[iモードHTMLバージョン]を[バージョン1]に設定します。
機能の設定画面
図8 機能の設定画面
なお,iモードHTMLバージョンの概要は,下記を参照してください。
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/html/about/
  1. 「iモードHTMLブラウザ」ウィンドウ画面の大きさを最も小さくするために,[機能]→[サイズ設定]を選択し,[表示サイズ]を[文字単位]で「10×10」としておきます。
表示サイズ変更画面
図9 表示サイズ変更画面
  1. 「iモードHTMLシミュレータ」ウィンドウメニューの[機能]→[URLを開く]を選択します。
  2. [URL入力]ダイアログボックスが表示されるので,保存してあるHTMLファイルを入力し[Open]ボタンをクリックします。
URL入力画面
図10 URL入力画面
  1. 「iモードHTMLシミュレータ」ウィンドウのボタンの画面を操作し,予定通り動作するか確認します。
表示されたサイト例
図11 表示されたサイト例
URL入力状態
図12 URL入力状態
  1. 動作の確認をしてから,FTPクライアントを用いて作成コンテンツをアップロードします。

6 QRコードの作成

 ここでは「QRWindow」を使って,発信したウェブサイトへ誘導するQRコードを作成します。

  1. 「QRWindow」を起動します。
  2. 図13の画面が表示され,作成するQRコードの種類を選択します。ここでは,各キャリアで読み込めるコードを作成するために「フリー入力」を選択し,[next]ボタンをクリックします。
作成するQRコードの種類を選択する画面
図13 作成するQRコードの種類を選択する画面
  1. 図14の画面が表示されるので,発信したウェブサイトのURLを入力し,[next]ボタンをクリックします。
任意の文字列をQRコードに変換する画面
図14 任意の文字列をQRコードに変換する画面
  1. 図15の画面が表示され,QRコードのサイズ・色を設定し,[next]ボタンをクリックします(特に変更する必要はありません)。
QRコードのサイズ・色を設定する画面
図15 QRコードのサイズ・色を設定する画面
  1. 図16の画面が表示されるので,[preview]ボタンをクリックし,作成したQRコードをプレビューします。確認したら,[next]ボタンをクリックします。
QRコードのプレビュー画面
図16 QRコードのプレビュー画面
作成したQRコードのプレビュー画面
図17 作成したQRコードのプレビュー画面
  1. 図18の画面が表示されるので,[save]ボタンをクリックし,作成したQRコードを保存します。
QRコードの保存画面
図18 QRコードの保存画面
できあがったQRコード
図19 完成したQRコード
  1. 完成したQRコードを次のように用いて,携帯電話用コンテンツへのアクセスを容易にします。

7 携帯電話用コンテンツの例

 今回の手順で作成したコンテンツの例を紹介します。下のリンク先又は[Sample]ボタンをクリックするか,QRコードを携帯電話で読み込み,アクセスします。

Sample Sampleへ誘導するQRコード

8 まとめ

 今回は,学校からの情報を携帯電話用サイトとして受信することを想定しています。紹介した内容は,情報発信方法としては最も基本的なものですが,特別な機器や経費は不要で,どの学校でもすぐに試していただけるものです。

 携帯電話に代表される携帯情報端末は,これからも様々な場面で活用されていくと思われます。情報の発信方法も,今回紹介したような内容以外に,現在ではメーリングリストやブログでの発信も活発に行われています。いずれにしても,正確でかつ時期を逃がさない情報発信のためには,

を心掛けることが重要です。

 たった1行のテキストでも,時によっては非常に有益な情報となるのです。

9 参考資料

  1. URL:http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/(総務省 情報通信統計データベース)
  2. URL:http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/(NTT DoCoMo 作ろうiモードコンテンツ)
  3. URL:http://www.au.kddi.com/ezfactory/(KDDI au EZfactory)
  4. URL:http://www.developers.softbankmobile.co.jp/dp/(SoftBank Developers Support Site)
  5. URL:http://www.qrcode.org/(QRWindow)