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化学反応を楽しく学ぶ

1 目的

 本実験は、化学変化にともなうエネルギーの存在を直感的に理解し、しかも授業が楽しく盛り上がるような方法を工夫したものである。材料は安価で手に入りやすいものが利用でき、準備も操作も簡単である。特に活性化エネルギーについての理解に役立つものである。



図1 フタを取った空き缶


2 材料

 ジュースの空き缶(350mLのアルミ缶がよい)


3 器具
 

 薬包紙、輪ゴム、ガムテープ、千枚通し、マッチ、
  缶切り、脱脂綿、ピンセット、ぬれ雑巾


4 薬品  エタノール

 
5 方法

(1) 缶切りで缶のふたを切り取り、千枚通しを用いて缶の底のわきに1〜2mmの穴を空ける(図1)。
(2) エタノールを脱脂綿に含ませ、缶の内側に塗る。
(3) すぐに缶の口に薬包紙をかぶせ、輪ゴムを何重かに巻いて固定する。更にすき間をふさぐために、ガムテープをぐるりとはる(図2)。
(4) エタノールが十分に気化したら、マッチの火を缶のわきの穴に近付け点火する(図3)。
(5) 爆音とともに薬包紙がはじけ飛ぶ。このとき薬包紙が燃え出すことがあるので、ただちにぬれ雑巾で消火する(図4)。


6 実験上の注意

(1) 缶の口に顔を近付けない、人に向けない、火の気に気をつけるといった諸注意は必ず事前に言っておくこと。
(2) 空き缶はできるだけたくさん準備し、演示はせずに一斉に生徒に準備させる。あらかじめ爆発実験であることを予告しておくと、言いようもない緊張感が教室全体に満ちあふれる。
(3) 実験がシンプルなので、生徒は最初爆発と言ってもたいしたことはないと思いこんでいる(実は見かけ以上に大きな爆発が起こるのだが言わないでおく)。
(4) 準備ができしだい点火してよいとあらかじめ指示しておく。すると、準備の早い班で最初の爆発が突然起こる。他の生徒は、意表をつく大きな爆音に非常に驚き、一瞬教室内が静まり返ったのちどよめきが起きる。
(5) ここまでくれば、あとは自由に何回でも実験を続けさせる。生徒の目の色が変わり、教室内がお祭り騒ぎとなる。爆音が大きいので、爆発のたびに驚く生徒が絶えない。また、エタノールの量や薬包紙の枚数を調整して爆発の大きさを変えようと工夫しだす。エタノールの量を増やすとかえって不発になる。このとき、「プシュ」といった情けない音が出るだけなので、これがまたうける。
(6) 30分ほどしたら、実験をいったん止めさせて片付けにはいる。残り時間を利用して、化学反応論について講義する。
   ア 本実験は発エネルギー反応である。
   イ エタノールはエネルギー準位の高い物質であり、反応の結果、エネルギーの小さい二酸化炭素と水に分解する。
   ウ エネルギー準位の違う物質に分解する際に、そのエネルギーの差が爆発エネルギーとして放出される。
   エ マッチの火が活性化エネルギーに相当する。

  



図2 ガムテープを巻いた空き缶



図3 空き缶にマッチの火をつける



図4 爆発して燃えた空き缶



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