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葉脈標本を作ろう
−水酸化ナトリウムを利用して−

 植物は、根から吸収した水を体全体に運ぶために、道管をもっています。また、光合成で作られた有機物を体全体に運ぶために、師管をもっています。この道管と師管は、セットで維管束となって体中に張りめぐらされています。
 木の葉にも、維管束が張りめぐらされていて、特にこれを「葉脈」といいます。その葉脈をだけを取り出して、じっくり観察してみませんか。その美しさに、きっと感動を覚えるはずです!

 水酸化ナトリウムは、強アルカリの薬品です。別名を<苛性ソーダ>と言って、さまざまな場面で利用されています。水に大変溶けやすく、空気中の湿気にも反応してしまうほどです。
 この水酸化ナトリウムには、「タンパク質を変性させる」という性質もあります。
(皮膚に触れると大変なことになります!)
 そこで、この性質を利用して、葉の葉肉部分を取り去って、葉脈だけ残してみましょう。化学変化を実感できるとともに、美しい葉脈標本を手に入れることができますよ。

○葉脈標本づくりに適した植物
 ・ヒイラギの葉
 →厚みがあって堅いものが適しています。ツバキやキンモクセイの葉も使えますが、なんと言ってもヒイラギでしょう。


○用意するもの
 ・約10%の水酸化ナトリウム水溶液(水300mlに水酸化ナトリウム30g程度を混ぜる)
 ・500mlビーカー
 ・ガスバーナー
 ・加熱用金網
 ・三脚
 ・わりばし
 ・バット
 ・歯ブラシ
 ・古雑誌
 (・台紙)
 (・のり)


○方法
 @10%水酸化ナトリウム水溶液を加熱し、その中に葉を入れ、20分放置する。
 A葉を取り出し、水で洗う。
 B歯ブラシで葉肉を落とす。
 C雑誌の間に葉を挟んで乾燥させる(1日程度)。
  (→葉脈標本にのりをつけ、台紙にはりつけると、しおりになるよ。)

○進め方の一例


 初めは透明だった水溶液も・・・

 数分後には、こんなにドロドロに・・・

 歯ブラシで葉肉を取り除きます。

 葉脈を傷つけずに葉肉を取り除くには、歯ブラシでたたくのが最良の方法です。

 葉脈だけになりました。

○先生方へ
 危険な薬品を扱うため、一つ一つの操作をていねいに行っていかないと大変な事故につながりかねません。事故のないよう、十分配慮してください。
 この実験を行うことで、水酸化ナトリウムのタンパク質に対する性質をしっかりととらえさせることができます。
 短い時間で確実に標本をつくることができるので、クラブ活動や中学校選択理科の内容に適していると考えます。
 また、中学校1年生での「植物の体のつくりとはたらき」を学ぶ上で、葉脈のみを残すことができるこの実験は、葉脈の観察をするという点で有効に活用できるでしょう。


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