こんなふうにしてみては
 学習上の困難をはじめとし軽度の発達の遅れを示す子供たちの場合,その問題が見えにくいので,失敗経験を積み重ねることが多くなります。意欲・自信を喪失させないよう,その困難さを理解し対応していくことが大切です

☆学習上の困難のある子供を支援するときの基本姿勢

 学習上の困難のある子供は,学習をなまけていると思われがちですが,そうではありません。 学習上の課題は,認知の偏りによって異なってきます。
 そのため,支援方法も一人一人に合わせて工夫することが必要です。
 褒められ,受容されることが少ないと,自己評価が低くなり,結果として二次的に不適応行動を起こすこともあります。
 周囲から誤解されたり,不登校やいじめで苦しんだりすることがないように,その子供の発達全体を把握し,状態に合った柔軟な対応をしていくことが望まれます。
☆聞くことが苦手な子供への支援方法
 最初に教室での子供の座席の位置を考え,教師が立つ位置も工夫しましょう。話すときには,絵,写真,文字など視覚的な情報も併せて提示すると効果を上げることがあります。
☆話すことが苦手な子供への支援方法
 子供の話した言葉を補いながら,文での表現を覚えさせたり,言葉に合わせた動作,絵などを使い学習させたりして,楽しい活動の中で表現力を身に付けさせてみましょう。
☆読むことが苦手な子供への支援方法
 子供が関心をもちそうな文章を選び,文章を読むときには行を飛ばさないように,文字を大きくする,他の行を隠すための短冊や下敷きを添える,さらに指で文章をなぞりながら読む,などの工夫をしてみましょう。
☆書くことが苦手な子供への支援方法
 書くことの基礎を作るために,点と点を結んだり,線と線の間をはみ出さないような練習を取り入れてみましょう。平仮名を習得するために文字カードと文字カードを対応させる,絵カードと文字カードを対応させるなどして文字への関心を高めるとよいでしょう。また,書くことにおいてその子供のうまくできたところを褒め,意欲を育てることも大切です。

☆計算や図形(推論する)でつまずきのある子供への支援方法

 まず,子供がつまずいているところを正確に把握し,段階的にきめ細かく対応することが求められます。九九の表や電卓を近くに置いたり,具体物の操作を行ったり,パソコンなどの機器を利用して学習を進めてみることも有効です。文章題を学習するときは,図解などを通して具体的イメージをもたせるようにしましょう。
☆その他の支援
○行動面・運動面でのつまずき
 忘れ物が多い子供の場合には,メモを取る習慣を付けさせるとよいでしょう。メモはランドセルのふたの裏など,いつも決まったところに入れるようにするとよいでしょう。家庭と協力して,準備する時間を決め,習慣化することも大切です。
 運動につまずきのある場合,例えば,粘土での製作や鍵盤楽器の演奏など楽しく取り組める題材があればそれらを活用するのもよいでしょう。全身の協応性を高めるには,リズム運動や模倣運動,ボール運動などが効果的です。
○社会性(他人とのかかわり)でのつまずき
 最初に必ずその子供が情緒的に安定できる環境を用意してあげましょう。そのうえで,トレーニングによって以下のようなソーシャルスキル(社会生活技能)を身に付けていくことが大切です。
他者の立場に立って物事を考え,見ることができる共感性
自分の行動や感情をコントロールする自己統制力
必要に応じて行動のパターンを変えていく柔軟性
社会適応に必要な様々な社会生活技能
 また,あいさつや返事の仕方,会話の仕方,場や状況に応じた話の仕方等は,まず基本的なパターンを教えていくとよいでしょう。
 「がまんする」という自覚と態度を育てるためには,情緒的に落ち着ける環境の中で褒めることを中心に指導していくと効果的です。
 そして,トラブルを起こしたときは,「どうすればよかったのか」を考えさせたり,行動の選択肢を提示したりして,前向きな対処の仕方が身に付くように指導していきましょう。

☆家庭での対応

  • 家庭がその子にとって安心できる心の安らぎの場になるようにしましょう。
  • 家族のメンバーとして認め,家庭での手伝いなど,できることは協力して分担することから始めましょう。
  • 他の子供と競わせ過ぎない方がよいでしょう。
  • 一人一人のよさを認め褒めるように心掛けましょう。
  • 手をかけ過ぎないようにして,できそうなことはどんどんさせて,褒めるように心掛けましょう。お父さん,お母さんの褒める一言が人としてたくましく成長していく自信やプライドの糧となります。


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