こんなふうにしてみたら      


1 教師の指示を聞くことができず,他の子と同じように活動できないとき

@指示内容を書いたもの(プリント・板書)を用意しておき,視覚的にも理解できるようにする。

A活動をいくつかのブロックに区切り,「指示を受けてすぐに実行→確認」の繰り返しになるようにする。

Bグループ活動を指導する機会を利用して,小さな集団の中で話を聞く練習をする。

Cできないと思ったら教師の支援を求めることを約束し,支援を求める方法や合図を取り決めておく。(右のようなカードを見せる等)
   
ヘルプカード

せんせい,
いっしょに
やってください

2 自分の言いたいことだけを一方的にしゃべってしまい,友達との関係がつくれないとき

@「自分の好きなことをみんなが好きとは限らない」ということを折りにふれて教える。

A友達が話をしているときは,まず話を聞くことを教える。

B話のやりとりの練習をする。

C本人が興味・関心をもっている話題に付き合う時間を別に設けて,本人の気持ちを満足させるようにする。

3 自分の好きなことに夢中になって,授業中でも周囲の状況とは関係なく一人で楽しんでしまうとき 

@自閉症特有の「こだわり」であり,授業や他の子供の活動を妨害する意図のないものであることを理解する。

A本人が自分でコントロールできないような場合には周囲の状況に気付くような言葉を掛け,切り上げさせる。

B休み時間等には,子供の「こだわり」に共感的に接し,信頼関係をつくる。

C「ふざけている」「わざとやっている」と誤解をされることがあるので,クラス全体への指導も必要である。

4 みんなが行動しているのにぼんやりとしていたり,何もしないでいるとき

@抽象的な表現や臨機応変な状況判断が苦手な場合が多いので,より具体的な指示を出す。

A混乱の原因になるので一度にたくさんの指示を出さない。

B様々な状況や場面に応じて指示内容や手順を分かりやすく書いて渡す。

C視覚的な手掛かりになる目印を決めて,行動しやすくする工夫が必要なこともある。

  ※右の写真は個人別に手順をあらわしたもの

5 音楽の授業のとき

@合唱や楽器の音に抵抗を示し,耳ふさぎをする場合には参加することを強要しない。一時的に待機する避難場所を取り決めておくのもよい(右のようなカードを準備しておくとよい)。

A楽器の演奏ができないのは運動機能の困難(不器用)さによるものであることが多いので,できないことを無理強いしない。頑張って練習しているときは,そのことを認めながら,いつも完璧に演奏できるとは限らないことを教えていく。

Bトラブルになりやすい子がいるときには合唱や合奏のグループ編制や席の配置などを配慮する。
30分間
保健室に行きます

6 体育の授業などでゲームの勝敗にこだわり,パニックを起こしたとき

@ゲームを始める前に「ゲームでは負けることもある」ことを話し,負けたときにはどのような行動をすればよいか教えておく。「失敗は成功のもと」などの決まり文句を有効に活用すると納得できることがある。

Aパニックのときはパニックが治まり,本人が落ち着いてから話しかけるようにする。状況を説明しどのようにしたらよかったのかを振り返り,次に同じ状況になったらどうしたらよいか(選択肢を与えながら)考えさせるようにすることが必要である。

7 給食の時間,偏食が激しいとき

@量を減らし一口だけでも食べてみるように促して様子をみる。感覚(味覚,嗅覚,食感)上の過敏性の問題も考えられるので無理強いはしない。

A
好きなものだけお代わりしたがるときには,全部食べたらお代わりという約束を決める。

B
特定の食べ物に関して食べられない傾向がある場合は,食物アレルギーの子供と同様に学級での特例として教師自身が理解する。家庭との連絡を密にし,嗜好
(しこう)や家庭での食習慣を把握し,保護者の意見を指導に取り入れる。

8 清掃のとき

@運動機能の不器用さが原因で掃除ができないこともあるので,簡単にできる仕事を分担させるようにする。

A清掃の手順を表などにまとめて(道具や場所を絵や写真で示すとより分かりやすい)具体的に理解させる。

B雑巾がけをする場所を決めておいたり,「タイル2列分をふく」など分かりやすい指示を出したりする。

C点検カードを使って自分の分担する仕事ができたかどうかを確認し,できたらシールをはるなどして達成感が得られるようにする。

9 運動会などの学校行事のとき

@校庭の様子や日課が普段とは違うので,本人にとって分かりやすい方法(写真や絵)でプログラムを理解させ,流れをつかみやすくする。

Aピストルの音を嫌がる場合には聴覚過敏も考えられるので,可能な限りピストル以外の出発合図を用いる(または耳栓の使用を検討する)

B走る前に,抜かれても最後まで走ることを約束しておく。

C走るのをやめてしまった場合は,そこから教師が応援しながら一緒に走る。

D出場する種目には,できる限り教師がついて支援し,臨機応変に対応する。

10 参観日や入学式・卒業証書授与式など通常の日課と違う行事のとき

@事前に予定や計画を具体的に説明し,子供が納得できる参加方法を話し合う。

A信頼できる教師や友達が近くについて,子供がすべき行動の手本を示したり,落ち着かせたりする。

B「あと○分」,「あと○回」など時間の経過や残り時間が明確になるような言葉掛けをする。

C必要ならばその場からいったん離れ,トイレ・手洗いなどをすることで気分転換をする。

D
落ち着かない場合の避難場所をあらかじめ決めておく。


E予定時間が延びたら,「○分遅れたから○時○分に終わります」と知らせるようにする。

F終了時間が延びそうなときには「終わりの時間が少し延びるかもしれない」と予告しておく。


見通しがもちやすくなる式次第の例
矢印で式の進行を示していきます 


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