付属解説
【早期乳幼児自閉症】  戻る
早期乳幼児自閉症の五つの特徴

@「人生の始まりから一般の子供のような方法で人や状況とかかわりあうことができない」
一人でいるのが苦にならず,幸せそうで,赤ちゃんのころはいわゆる「手のかからない」子だったり,周りに人がいても関心を示さず,まるで人がいないかのように振る舞ったりします。

A「言葉がないか,あっても他人に意思を伝えるために言葉を使わない」 例えば子守唄,祈りの言葉,大統領の名前などは覚えますが,コミュニケーションの目的で言葉を使わないで聞いた言葉をオウム返ししたり,独り言を言うことが多いのです。自分のことを「あなた」,相手のことを「私」というなど代名詞を逆転して使用することもあります。

B「物事をいつまでも同じにしておこうとする欲求が強く,そうでないと非常に不安になる」 いわゆる「こだわり」です。物事の手順や家具の配置の変更などで不安になり,必死に抵抗したりします。活動は単純な繰り返しになりがちで,自発的に行動することが少なく,興味の幅が狭かったり,物をくるくる回すような繰り返し行動に何時間も浸ったりします。

C「人に対する興味は少ないが,物に対しては強い関心を示し,物を器用に操作する」
缶のふたや,枯葉などに強く執着し,集めるなどします。

D「知的な障害があるとみなされやすいが,潜在的な認知能力は優れている」 一見知的な顔つきをしていることや,型はめなどを巧みにすばやくやったりすることなどから潜在的な知能は優れている,知能テストなどの点が低いのは協調性がないからだとカナーは考えました。   
【三大特徴】  戻る
1 <対人関係の特徴>
他の人や周りの状況にかかわろうとしない。
他の人と共感したり,やり取りしたりすることが難しい。
相手の気持ちになって物事を考えることが難しい。
等の特徴があります。そのため,一人でいることが苦にならず,周りにいる人にも関心を示さず,まるで人がいないかのように振る舞ったりします。

2 <コミュニケーションの特徴>

他人に意思を伝えるために言葉を使おうとしません。相手の言った言葉をそのまま言い返したり(オウム返し),人称代名詞がひっくり返ったり,テレビのせりふを繰り返し言ったりすることがあります。また,何かを取るときに人の手を使って取ろうとすることもあります(クレーン現象)

3 <こだわりの特徴>
物事をいつまでも同じ状態にしておこうとする欲求が強く,そうでないと非常に不安になります。それは,物の位置であったり,活動の順序であったり,道順であったりします。  
【その他の特徴】  戻る
自閉症のその他の特徴

1 <常同行動>
こだわりの一種ですが,自閉症の人は,手を目の前でひらひらさせたり,ぐるぐる回ったり,ぴょんぴょん跳ねたり,身体を前後に揺すったりする行動が見られることがあります。

2 <感覚の反応が独特>

視覚,聴覚,味覚,臭覚,触覚のそれぞれの感覚で,以下のような独特の反応を示すことがあります。
・ 斜めから物を見る。
・ 大きな音や決まった苦手な音に耳をふさぐ。
・ 極端な偏食。
・ 何でも匂いをかぐ。
・ 痛みに鈍感または過敏。 など

3 <突出した能力>
発達年齢の水準から突出した能力を現すことがあります。例えば,
・ 時刻表やカレンダーを記憶する。
・ ジグソーパズルが得意。
・ 音楽や美術の才能に秀でている。
・ どんな難しい漢字でも書ける。
   
【ICD−10  戻る
ICD−10による小児自閉症について
広汎性発達障害の一つの型であり,
a) 3歳以前に発達異常または発達障害が存在すること。
b) 相互的社会的関係,コミュニケーション,限局した反復的な行動の3つの領域すべてに見られる機能異常の特徴型。
で定義されている。これらの特異的な診断特徴に加えて,恐れ/恐怖症,睡眠と摂食の障害,かんしゃく発作や攻撃性など一連の非特異的な問題を呈することがしばしばある。この障害は女児に比べ男児に3倍ないし4倍多く出現する。    
【DSM−W−TR】  戻る
DSM−W-TRによる自閉性障害の診断基準

A.以下の(1)(2)(3)から合計6つ(またはそれ以上),うち少なくとも(1)から2つ,(2)と(3)から1つずつの項目を含む。

(1) 対人的相互反応における質的な障害で以下の少なくとも2つによって明らかになる。
(a) 目と目で見つめ合う,顔の表情,身体の姿勢,身振りなど,対人的相互反応を調節する多彩な非言語的行動の使用の著明な障害。
(b) 発達の水準に相応した仲間関係を作ることの失敗。
(c) 楽しみ,興味,達成感を他人と分かち合うことを自発的に求めることの欠如。(例:興味のあるものを見せる,持って来る,指差すことの欠如)
(d) 対人的または情緒的相互性の欠如。

(2) 以下のうち少なくとも1つによって示されるコミュニケーションの質的な障害:
(a) 話し言葉の発達の遅れまたは完全な欠如(身振りや物まねのような代わりのコミュニケーションの仕方により補おうという努力を伴わない)
(b) 十分会話のある者では,他人と会話を開始し継続する能力の著明な障害
(c) 常同的で反復的な言語の使用または独特な言語
(d) 発達水準に相応した,変化に富んだ自発的なごっこ遊びや社会性をもった物まね遊びの欠如

(3) 行動,興味,および活動の限定された反復的で常同的な様式で,以下の少なくとも1つによって明らかになる。
(a) 強度または対象において異常なほど,常同的で限定された型の1つまたはいくつかの興味だけに熱中すること
(b) 特定の機能的でない習慣や儀式にかたくなにこだわるのが明らかである。
(c) 常同的で反復的な衒奇的運動(例:手や指をぱたぱたさせたりねじ曲げる,または複雑な全身の動き)
(d) 物体の一部に持続的に熱中する。

B.3歳以前に始まる,以下の領域の少なくとも1つにおける機能の遅れまたは異常:

(1) 対人的相互反応,
(2) 対人的コミュニケーションに用いられる言語,または
(3) 象徴的又は想像的遊び

C.この障害はレット障害または小児期崩壊性障害ではうまく説明されない。
   
【TEACCHプログラム】  戻る
TEACCHプログラム

TEACCHプログラムとは,1972年にノース・カロライナ州で自閉症療育の公式プログラムに指定されて以来,全州規模で実施,展開されており,日本でも佐々木正美らによって紹介されているプログラムです。
TEACCHプログラムでは,「自閉症児・者が施設で生活するのではなく,それぞれの地域社会の中で自立した生活を営むことができるようにする」を基本理念とし,不適応行動が起こりにくい構造を作るということをまず考えて実践しています。

(物理的構造化)

これは,自宅や教室の中を家具,つい立,じゅうたん,机,ロッカーなどの配置に工夫をこらして,子供に室内の種々の場所の意味を理解しやすくしてやることです。余分な刺激のない環境で,その場を違う活動等で併用せず,視覚的に分かりやすい環境を作ります。

(時間的構造化)
これは,スケジュールをしっかり作って,子供が見通しを持って生活を送ることができるようにすることです。例えば,教室では,いつも決まった場所にその日の活動プログラムを示してあげます。子供たちが理解しやすい絵や写真,記号などを使います。また,活動プログラムの大枠はできるだけ毎日一定にします。

(視覚的に訴える方法)
自閉症の子供たちの不適応行動は,相手の伝えようとする内容が理解できずに活動に見通しがもてないことや,自分の要求をうまく伝えられないことによっておこることがよくあります。文字や絵,記号や写真,実物など視覚的に分かりやすい物を使い,互いのコミュニケーションがうまく取り合えるようにしていきます。    
【感覚統合法】  戻る
感覚統合とは,発達の過程で,脳が内外からのたくさんの刺激を有効に利用できるよう,能率的に組み合わせることをいいます。楽しい雰囲気の中,遊びながらいろいろな刺激を与えることによって,感覚を統合するための脳の発達と組織化をうながす指導法です。
   
【オペラント行動療法】  戻る
行動療法の一つの手法で,オペラント条件付けによる学習です。刺激→反応(行動)の関係を重視し,随伴して強化刺激を与えることによって正の行動をより多くしたり,負の行動を軽減したりします。
   
【行動変容法】  戻る
行動が学習される原理に基づいて,望ましい方向に変える治療教育法です。不適切行動を減らし,それにとってかわる適切行動を身に付けることを目的としています。不適切行動に対応する方法として,@オーバーコレクションA計画的無視BタイムアウトC物理的統制D罰などがあります。   
【遊戯療法(プレイ・セラピー)】  戻る
遊びを心の世界の表現媒体にした心理療法の一つです。基本原理は,@よい治療関係を成立させる,A子供をあるがままに受容する,B許容的な雰囲気を作る,C適切な情緒反応を返す,D子供に自信と責任を持たせる,E治療者は,非指示的な態度を取り,子供に寄り添う,F治療を急がずじっくり待つ,G必要な制限を設定する等です。
【インリアル法】  戻る
インリアルは,1974年にコロラド大学のワイズ博士らによって開発された言語発達遅滞幼児のためのコミュニケーション・アプローチです。子供と大人が相互に反応し合うことで,学習とコミュニケーションを促進しようとするものです。インリアルのねらいとして次の四つがあげられます。
@ 自由な遊びや会話を通じて,子供の言語とコミュニケーション能力を育てる。
A 言葉以外の非言語的コミュニケーション手段(指差し,視線など)にも注目する。
B 子供から遊びやコミュニケーションを始める力を育てる。
C そして@ABの実現のために,かかわる大人のコミュニケーション感度の向上を図る。   
【愛知県内の主な相談機関】  戻る
愛知県内の主な相談機関
● 愛知県総合教育センター(特別支援教育相談)

● 愛知県児童相談センター

● 学びネットあいち(学習相談)

● あいち発達障害者支援センター