「個別の教育支援計画」・「個別の指導計画」の作成手順

〔手順1 「個別の教育支援計画」〕

@プロフィール表(フェイスシート)を作成し,幼児児童生徒の実態を明確にします。
 ※プロフィール表の項目は幼児児童生徒に応じて作成します。下の表は参考例です。
 ※個人情報に十分留意し,記載に際しては保護者の同意を得るようにします。

 
<実態把握に際して必要な情報>
   
以下のような情報を,主として保護者から収集します。

 a 医学・心理学的な立場からの情報(主治医,臨床心理士,言語聴覚士,作業療法士,理学
   療法士などから,投薬・留意事項・訓練内容などについて)
 b
 教育的な立場からの情報(母子通園施設,保育所,幼稚園,前籍校などから,興味・関心
   の対象,生活や学習の状況,対人関係などについて)

 
 家庭,地域社会の情報(親の会,児童デイサービス,福祉サービス,NPO団体など)
 
 関係機関からの情報(児童相談センター,相談機関など)
 
 その他
               
     

 
<情報収集の方法について>
 a 学級担任と保護者による個別面談
 b 家庭訪問による居住地域の情報収集
 c 希望調査用紙等による聞き取り調査 など


※下表は特別支援学校用のプロフィール表の記入例です



A支援の計画表を作成し,本人,保護者の願い・希望・ニーズを明らかにするとともに,
 関係機関との連携を図り,支援の役割分担を明確にします。

教育的支援に関するニーズの把握
 個に応じた支援計画を策定するためには,まず学習の主体者である幼児児童生徒のニーズを把握し,次に担任を含めた教師(学校)のニーズや,指導の協力者としての保護者のニーズを把握したうえで,必要な教育的支援が地域社会の支援体制や社会資源の現状から実現可能かを多角的に検討することが求められます。
                 

 幼児児童生徒のニーズを把握する際には,その興味・関心がどこに向いているか,幼児児童生徒自身の思いはどうか,毎日の生活のスケジュールはどのようになっているのかなどをとらえます。
 一人一人の幼児児童生徒の生活がどのようになっているのかを図示した
「生活マップ」(下図参照)などを作成することも「個別の教育支援計画」・「個別の指導計画」を作成する際に大変役立ちます。
 この生活マップを作成することで,幼児児童生徒の主体的な生活を支援するための具体的な指導内容をより明確に設定することができます。例えば,図から分かるように「スーパーでの買い物(週に1回)」に必要な知識・技能・態度を身に付けるための具体的な指導内容を単元として構成し,学習を展開することにより,生活に直結した指導が可能となります。

              

 こうして収集した情報や,担任等の観察記録や指導記録といった情報を分析するとともに,それらを総合的に集約し,目標設定や指導内容の選定等に結び付けることが大切です。

 
保護者のニーズの把握としては,生育歴や保護者の教育方針,学校への期待にはどのようなものがあるのか,家庭生活での保護者から見た幼児児童生徒の様子や地域での生活ぶりなどについて情報を集め将来にも目を向けた支援のニーズを探ります。
 医療や福祉関係の機関にかかわっている場合は,その情報も集めます。
 保護者の意向を確認し,それを学校での指導に生かしていくことが必要です。また,学校における指導と,家庭における指導との役割分担についても共通理解を深めていくことが重要です。
 教師(学校)のニーズの把握については,学校生活のあらゆる場面をとらえて,子供の基本的生活習慣や学習,健康や体力,コミュニケーション能力や社会性,作業能力,さらには不適応行動などがある場合はどのような行動かをとらえます。また各種検査や行動観察,指導記録などによって,より詳細に児童生徒の実態を把握し支援のニーズを考えます。

 このように総合的な実態把握をもとに,教師(学校)は,専門的な立場から幼児児童生徒一人一人の支援のニーズを探り、具体的な支援ネットワークを構築するよう努力します。

 
※下表は特別支援学校用の支援の計画表の記入例です



〔手順2 「個別の指導計画」〕
 すでに述べましたが,「個別の指導計画」は具体的な教育場面における指導計画です。
「個別の教育支援計画」を作成する中で明らかになったニーズに対して,いかに学校生活(学習活動)の中で的確に対応できるかが重要です。
 そのためには,以下の手順を踏まえて「個別の指導計画」を作成して下さい。

 @ 個々の幼児児童生徒の学習指導・生活指導にかかわる実態を的確に把握する。
 A 個々の実態に即した指導目標を明確に設定する。
 B 個々の指導の目標を達成するために必要な指導内容を段階的に取り上げる。
 C 個々に適した指導方法や指導体制,授業形態等を設定する。
 D 継続的・発展的な指導が展開できるように個別ファイルを作成する。
 
※下表は小学校 通常の学級の個別の指導計画の記入例です