視覚障害

盲人用トランプ
 視覚障害とは視力視野色覚などの視機能の障害を意味しますがこのうち教育上最も問題になるのはものの形などを見分ける力つまり視力です。

 一般に教育的観点から両眼の矯正視力がおおむね0.3 未満の者のうち拡大鏡等の使用によっても通常の文字図形等の認識が不可能又は著しく困難で点字を常用し主として聴覚や触覚を活用した学習を行う必要のある者を「盲児といい通常の文字や図形等の認識に困難はあるが主として視覚による学習が可能な者を「弱視児」と呼んでいます。

盲児の行動などにみられる傾向
(1) 周囲の様子を的確に把握するのが難しい
 触覚は触れている部分の様子しか分かりません。また,聴覚も媒介とした特定の情報しか与えてくれません。したがって,盲児は周囲の情報を取り入れることに大きな制約を受けています。

(2) 言葉と事物や事象との対応関係が難しい
 言葉は知っていても,その形や大きさ状態などが理解できていない場合があります。これは,全体を触って観察できないものやこわれやすくて触れられないものの色彩など視覚でなければ理解できないものがあるためです誘導ブロック

(3) 歩行などの行動に大きな制約を受ける


(4) 視覚による模倣動作ができない
 視覚による模倣ができないため,動作がぎこちなかったり行動が不活発であったり,あるいは姿勢が悪くなったりしがちです。

(5) 平面的に書かれた凸線による絵なども理解しにくい
 触って分かるように凸線で書いても,動物・乗り物・建物などの絵は,部分と全体との対応が難しく,全体像の理解が困難です。

弱視児の行動などにみられる傾向
 弱視児といっても,その見え方は非常に個人差が大きく,同じ視力でもその他の視機能障害によって大きく異なります。そのため,一人一人の障害の程度・内容を把握して日常の指導に当たることが大切です。





 

 
視覚障害児の
自立活動


点字盤
  
 盲児に対する自立活動
(1) 点字指導
 両眼の視力が0.04未満の者はおおむね視覚以外の感覚を通して学習し教科書も小中高等学校で使用する検定教科書に若干の修正を加えて点訳した点字教科書で学習します。点字指導は特に初期の指導を誤ると学習につまずきを生じたりまた未熟であると学習が十分期待できないので初期指導には十分な配慮が必要です。
 なお点字は平仮名や片仮名に相当する表音文字ですから同音異義の場合は前後の文章で判断しなければなりません。また書く行為に相当する点字打ちは点字用具(点字盤点字タイプライター等)を用いて点字用紙に打ちます。読む場合は打たれた凸字を通常左手の示指先で触読しますが熟練した盲児では両手を使用します。 点字タイプライター
近年情報処理技術の発達に伴いコンピュータを介して点字を知らない人とも文書をやりとりすることができるようになってきましたが点字は視覚を活用できない人々のコミュニケーションや思考を深める手段として効率性が高く重要な方法であることには変わりありません。

(2) 歩行訓練
 目の見える者にとっては歩くことは無意識に行う行為です。しかし盲児の歩行は視覚以外の感覚によって情報を収集しそれを手掛かりにして周囲の環境と自己との関係を判断し更にその判断に基づいて行う行動動作です。歩行指導は行動の拡大自立性能率性及び目的達成の観点からも重要です。



弱視児に対する自立活動
(1) 視知覚訓練
 視認知を正確にし視経験を豊富にして確実な知覚と行動がとれるように指導します。そのため目と手の協応動作訓練認知力を高める訓練視経験の拡大及び読字訓練等を行います。
 
(2) 拡大鏡弱視レンズ及び拡大文字の使用
 教材によって視知覚が困難な場合は拡大鏡や弱視レンズを使用させ更にそれに慣れさせます。また必要に応じて拡大教科書等教材の文字を拡大して与えるように配慮します。
 
(3) 疲労の排除と残存視力の保持
 弱視児は目を長時間使用すると疲労しやすいので学習の展開には特に配慮を要します。また目の使用によって視力の低下する眼疾もあり過激な運動又はショックによって失明することもありますので運動量制限 ランク を設けて十分留意しながら指導します。