特別支援学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

学校を知ろう

題材の設定

 学習集団は,特別支援学校(知的障害)高等部第1学年である。
 「学校を知ろう」は,入学して間もない時期に学年全体で取り組む題材である。生徒は,学校生活に少しずつ慣れてきているが,その時々の活動に精一杯の状況である。そこで,本題材を取り上げ,知らないことや疑問に思っていることを出し合い明らかにすることで,周囲をよく見て,本校をよく知る機会にしたいと考えた。
 実際の授業では,クラスごとに追求するテーマを決め,最後に学年全体で発表会を計画した。計画を立て,追求活動の手順を確認し合う過程では,新しく出会った友達に,自分の思いを伝えたり,友達のよさを受けとめたりすることを大切にした。
 また,学校という自分たちの生活場面を主体的に見つめることで,これからの学校生活を意欲的なものにすることができると考えた。

ねらい(観点)

 自分たちで追求するテーマを見付け,追及する計画を立てる。(主体的な姿勢)
 計画の中で自分たちにできることを判断する。(自己理解)
 話し合いやインタビューの中で,自分の思いを伝えたり人の話をよく聞く。(コミュニケーション)
 自分たちの生活を意欲的なものにする。(生活意欲)

 展 開 

活  動 集団 時間 内  容
テーマ説明会 学年 入学してからの感想を発表し合う・活動のテーマを知る
テーマ決定 クラス クラスごとの追求テーマを決める
調査方法 調べる方法を考える
調査活動 グループ別で調査活動をする
まとめ 調査した内容をまとめる
発表会準備 発表会の練習をする
発表会 学年 クラスごとに発表する
活動のまとめ クラス 活動してきたことを振り返る
 調査活動では,授業後などに実施したグループもある

活動の様子

 各クラスごとの追求活動は以下のとおりである。
 A組のテーマ「なぜ,この学校がつくられたか」
 このクラスは,学校設立当時の校長先生宛に質問事項をメールで送り,設立までの経緯や開校当時の様々な苦労について調査してまとめる活動をした。
 B組のテーマ「学校で働く人」
 このクラスは,特に用務員さんの仕事について調べ,インタビューしたり一緒に仕事の体験をしながら活動した。
 C組のテーマ「施設・設備」
 このクラスは,学校職員に質問したり学校の記念誌やアルバムなどから参考となる資料を探し出し,パソコンやデジカメを使って調査したことをまとめた。
 その他のクラスでは,「学校の光熱費」「給食」などをテーマとした。
 いずれのクラスの活動でも,調べ学習とまとめの作業を繰り返すように計画した。試行錯誤をしながら,生徒が工夫してまとめたり,足りない部分の調べ活動を再計画したりする動きを,引き出すことができた。大勢の人の前での発表は,まとめをよく準備したため緊張せずに説明することができた。このことは,大きな自信となったようだ。
 入学して間もない時期であり,この活動を通して,学校生活に主体的に取り組めるような姿勢が見られるようになった。

用務員さんへのインタビュー 用務員さんの仕事の体験

評 価

 ねらいに示した観点に基づき個々の生徒の活動のよさをとらえるようにした。
   主体的な姿勢
   自己理解
   コミュニケーション
   生活意欲