特別支援学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

ごみについて考えよう

題材の設定

 学習集団は,特別支援学校(肢体不自由)中学部第1学年の12名である。
 学校の中のごみを分別して出すことになったのを機に,生徒の間で地域のごみの分別の仕方が異なることが話題になった。養護学校では,学区が広範囲の市町村となり,出身地区のごみ処理の仕方は様々である。そこで,各地域の分別の仕方を調査し,なぜ分別するのか,分別したものをどう処理するのかを追求することにした。
 生徒の話題を活動の起点とし,自分たちの生活を振り返り,ごみの処理を考えたり資源を再利用したりすることに思いを発展することができると考えた。
 また,今回の活動を機会に,インターネットの活用の仕方について学ばせ,今後の学習活動に広がりをもたせたいと考えた。

ねらい(観点)

 ごみの分別の仕方やごみ処理の流れを調べる。(興味・関心,意欲)
 自分の思いをうまく伝えたり,友達の意見のよさに気付いたりする。(コミュニケーション)
 活動の手順を確認しながら計画・企画する。(ものの考え方)
 インターネットを活用して幅広い情報をつかみ比較する。(情報活用)

 展 開 

活  動 時間 内  容
学習の計画 まとめたものを文化祭で掲示するまでの流れを確認する
各地域の分別の仕方の確認 1 家庭での分別用袋を持ち寄り発表し合う
各地域の分別の問題 家族に聞いてきた分別方法の感想と問題点を話し合う
各地域の分別の仕方の確認 2 各市町村のホームページで分別と処理の仕組みを調べる
ごみの処理と資源再利用の調査 インターネットで資源再利用について調べる
まとめかたの計画 資料のまとめ方の計画を立てる
まとめ作業 文化祭に向けて資料をまとめる
リサイクルマーケットの調査 インターネットでリサイクルマーケットについて調べる
リサイクルマーケットの計画・準備 ポスター・金券・きまりの準備をする
 文化祭の展示場を利用して,まとめてきたことを発表した。
 生徒会に働きかけ,生徒集会で,生徒たちによる不要品交換会(リサイクルマーケット)を開催した。

活動の様子 

 学校にインターネットの設備が整った時期でもあり,今回の活動の中で情報の活用の仕方についても学習した。肢体に障害があると図書室でも,自在に本を出し入れをすることは難しいが,インターネットであれば,指先の動きだけで期待していた情報を得ることができる。生徒の興味も深まったようで,授業後に保護者の協力を得て居残りをして取り組む者もいた。
 ごみの分別については,保護者の関心も高く,分別の仕方について各家庭でも話題になった。感想や問題点等,様々な意見を出していただけてまとめる内容が豊富に集まった。文化祭で資料を提示した際にも,各市町村の分別の仕方や指定のごみ袋の違いなどに関心が集まり,多くの方に
展示物を見ていただいて,生徒の達成感につながった。
 資源の再利用についても,インターネットで調べたことをまとめる予定でいたが,生徒からのフリーマーケットを自分たちで開催してみたいという思いを受けて,生徒集会の場を利用することにした。生徒会役員や他の学年の生徒にフリーマーケットの意味を説明する機会が得られ,表現活動の場が増えることになった。生徒集会でのフリーマーケットは,文房具やおもちゃなどで不要になったものを交換した。他の生徒の間でも好評で次年度も開催することになった。

評 価

 ねらいに示した観点に基づき個々の生徒の活動のよさをとらえるようにした。
   興味・関心,意欲
   コミュニケーション
   ものの考え方
   情報活用