特別支援学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

ハーブの研究

題材の設定

 学習集団は,特別支援学校(肢体不自由)高等部第1学年の11名である。
 生徒から教室にハーブを置きたいという意見が出された。それからハーブについてよく話題になり,いろいろ調べてみたいという思いが出された。ハーブについて調べ,文化祭に調べたことを展示しようというものである。また,ハーブの苗を育てて,文化祭の時期に販売実習もしてみたいということになった。
 販売実習については,人の好みを調べ,どんな種類が多く買い求められるかを調べ予想を立てる。この活動を通して,自分たちの思いだけではなく,相手(買い手)の気持ちを考える活動が期待され,対象の生徒たちには意味のある取組と考えた。

ねらい(観点)

 ハーブについて調べる観点を明確にして,手順を考えながら追求する。(主体的,創造的な姿勢)
 幅広い情報から,必要なことを整理して,人に分かりやすいようにまとめる。(知識を総合する力)
 人の好みを調べたり,購買意欲を高めるための工夫をしたりする。(価値観の理解)
 自分の思いをうまく伝えたり,友達の意見のよさに気付いたりする。(コミュニケーション)

 展 開 

活  動 時間 内  容
研究テーマの決定 研究テーマ,追求の方向を話し合う
活動計画 文化祭までの展示・販売実習計画を立てる
ハーブについての追求 主にインターネットで情報を調べる
まとめ方の確認 資料のまとめ方について話し合う
資料まとめ作業 パソコンを活用する
ハーブについての好み調査 アンケートでハーブの香りについての好みを調べる
販売実習の計画と準備 品種の決定,納入価格と販売価格等について計画する
販売実習準備・展示準備 文化祭に向けて,展示・販売実習の準備をする
販売実習 - 文化祭で販売実習をする
 文化祭前の活動では,HRの活動ともリンクさせて取り組んだ。

活動の様子

 ハーブについては,自分たちが調べたいという思いから取り組んでいるだけに意欲的に取り組めた。活動計画の中で,一人一人の追求課題を決めることで,自分の取り組みに責任を持つことができた。これまで,共同作業となると,意見を言うだけで行動が伴わなかった生徒も,自分の役割を明確にすることで,友達のアドバイスを求めながら取り組むことができた。
 インターネット上では,ハーブについての情報は数多くあり,その情報量の多さに,生徒も何を中心にまとめたらよいか苦労をした。まとめ方では,生徒間でいろいろ議論したが,自分たちが販売実習も行うことから,ハーブの宣伝活動という視点で情報をまとめることにした。展示物を読んだ人が,ハーブを買ってみようという気持ちになることを確認して,作業することになった。
 当初,自分たちで苗を育てて販売実習をする計画であったが,自分たちの障害を考え自分たちにできることを考え直した。他の部の保護者に花屋を経営している方がみえることから,相談にのっていただき,苗を仕入れて販売することにした。販売価格については,利益を上げるかどうかで議論になった。生徒の結論は,今回は,ハーブを普及させることをテーマにしているから,価格は,必要経費(仕入れ費用,チラシ製作費用,ビニール袋費用)から決定することにした。人のハーブの好み調査では,「すっきりとした香り」に人気があることが分かり,仕入れ品種の決定の参考にした。
 文化祭では,数十分で完売となり生徒たちも達成感を得ることができた

評 価

 ねらいに示した観点に基づき個々の生徒の活動のよさをとらえるようにした。
   主体的,創造的な姿勢
   知識を総合する力
   価値観の理解
   コミュニケーション