特別支援学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

ニュース番組づくり

題材の設定

 学習集団は,特別支援学校(肢体不自由)高等部第2学年である。
 ビデオ撮影や編集の学習は,情報学習を体験できると共に,興味・関心ももちやすい取組である。また,講師を外部から招くことによって,より関心を深め,主体的な活動を引き出せると考えた。
 公共施設を実際に撮影取材し,障害者の立場から問題点を探ることで,社会に生きる障害者として自己理解を深めることができたり,講師や施設への依頼交渉など社会性や生きる力を,見付けることができたりする。
 さらに,情報産業が一つの進路としてあることにも気付かせ,自分の将来を考える材料とすることができると考えた。

ねらい(観点)

 外部講師と共に学ぶ体験的学習を通して,自ら企画・調査・探求する姿勢をはぐくむ。(主体的,創造的な姿勢)
 実社会からの刺激を受容し,卒業後の進路(生き方)について主体的に考え行動し判断する力を養う。 (自己理解,生き方を考える)

 展 開 

活  動 時間 内  容
活動計画 ニュース番組づくりの活動計画

 番組づくり

(1週間まとめ取り)
映像づくりの講話と撮影練習
映像編集の講話と編集作業の体験
撮影取材(Aスーパー)
撮影取材(B市民センター)
撮影取材(校内の施設設備)
反 省 マニュアルづくり
 毎週ある1時間(前後各5時間)と1週間のまとめ取りの時間で実施した。
 1週間のまとめ取りの期間では,毎日,行動確認や1日のまとめ・反省の時間も大切にした。

活動の様子

 生徒の話し合いから,障害者の利用を配慮した施設・設備が,社会においてどれほど整備されているのか取材・調査し,ニュース番組として製作し発表することになった。
 ビデオ撮影や編集に関して講義ができる講師を探し,講義の依頼をすることから始めた。各方面へ生徒が直接電話をかけ,総合的な学習の時間の趣旨説明と講師依頼を行ったところ,C市AV技術者の会から2名,C市ケーブルテレビから1名の講師をお願いすることができた。それぞれ映像づくりのノウハウや編集作業の実技体験をすることができた。
 また,個々の能力や障害を考慮して,取材チームを編成し誰がどの役割を行うのか,話し合って決定した。自分の適正に合った活動の場面を考えることは,生徒の自己理解と共に他の生徒を理解するよい機会となった。
 一般社会の施設・設備を生徒自らが取材調査したことは,社会に広く目を向ける関心の広がりにつながった。
 当日,雨天となり,撮影計画を変更しなければなかったが,判断をすべて生徒自身が行うようにした。試行錯誤しながら困難に立ち向かう生徒のたくましい姿を垣間見ることができた。
 その後も,ニュース番組づくりを継続している。撮影したテープの編集は,夏季休業中に生徒の自宅に,自主的に集まり,コンピュータによるデジタル編集を終えた。不足している場面の映像を,教室の一角をスタジオにして撮影したりもしている。
 今後,学習発表会の場面を使って作品を発表していくことを考えている。

ビデオ撮影の講義 B市民センターロケ風景

評 価

 ねらいに示した観点に基づき個々の生徒の活動のよさをとらえるようにした。
   主体的・創造的な姿勢
   自己理解
   生き方を考える