特別支援学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

お茶をのみましょう

題材の設定

 学習集団は,特別支援学校(肢体不自由)小学部第5・6学年の8名である。
 児童は毎日水筒を家庭から持ってきており,よくお互いのお茶を飲み比べている。最近は,いろいろな種類のお茶が身近にあり,家庭で用意してくるものも様々である。児童にとって身近なものであり,興味・関心があることからお茶について調べることにした。よく飲み比べているお茶の種類や味の違いを調べたり,友達や大人の好みを調べたりと児童の思いをいろいろな方向に発展させられると考えた。
 また,調べたことを発表し合い,友達の気付きから,新たな追求に取り組むような活動も支援していきたいと考えた。

ねらい(観点)

 お茶の種類や作り方に興味をもち,飲み比べたり調べたりする。(興味・関心,意欲)
 自分の思いをうまく伝えたり,友達の意見のよさに気付いたりする。(コミュニケーション)
 活動の手順を確認しながら取り組む。(ものの考え方)

 展 開 

活  動 時間 内  容
お茶を飲み比べる 各家庭で用意した水筒のお茶の味を調べる
図書室で調べる 4つの観点(伝来,原産地,木の種類,作り方)
ペットボトル(表示内容)を調べる 焦点化した日本茶・紅茶・烏龍茶について調べる
お茶の好みを調べる 友達や教師の好きな種類を調べる
日本茶の作り方を調べる インターネットを活用する
日本茶を作ってみる 実習(葉を摘む・蒸す・さます・もむ・ころがす・乾燥)
お茶会をひらく - 保護者会で両親にお茶を出す
 当初,教師は1〜4までの活動を考えていた。5の活動以降は,児童の強い思いから発展させた。

活動の様子

 図書室でお茶について調べる活動までは,教師が活動の方向付けを援助してきたが,その後は児童の意見を取り入れて活動を展開した。上記順3の3種類のお茶を調べる活動では,児童のアイデアで市販のペットボトルを持ち込み,表示にある内容物を比べた。その調べ活動の中で,「ペットボトルは,お茶と言ってもお茶以外のものもけっこうはいっているんだね。こっちのは本当のお茶じゃないよ」と児童の発見があった。また,調べ学習の中では,日本茶の作り方の解説で,お茶の葉をもんでいる写真を見つけた児童が「本当にこんなことをしてお茶はできるのかな」という発言をした。その言葉に他の児童も共感し,一度試してみたいという思いが広がった。
 お茶の工場や農家の見学は難しいため,お茶の木を教室に持ち込んで,葉を摘む作業から取り組んだ。葉と芽の違いに気付いたり,蒸しているときにお茶の香りを楽しんだりした。あらかじめ手順を児童同士で確認し,次に何をするのか,何を準備したらよいかまで考えて活動することができた。写真で見たお茶の葉を乾燥させながらもむ作業では,児童のアイデアでホットプレートを使いながら取り組んだ。もみながら乾燥させる温度の調整に苦労をしていた。教師も十分な知識をもっていなかったため,児童と共感しながら取り組むことができた。
 以下は,出来上がったお茶の試飲後の児童の言葉である。
 「僕たちのお茶は色が薄いね」「濃くないけど,さらっとして飲みやすいよ」「ペットボトルみたいに,これにいろいろ混ぜてみようか」「値段が高いお茶は,木が高いのかな。それとも,作り方で高くなるのかな」「このお茶,みんなにごちそうして感想を聞いてみようよ」
 活動後の発言の中にも,さらに追究してみたいという児童の思いがうかがえた。

評 価

 ねらいに示した観点に基づき個々の児童の活動のよさをとらえるようにした。
   興味・関心,意欲
   コミュニケーション
   ものの考え方