特別支援学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

日本茶と健康

題材の設定

 学習集団は,特別支援学校(視覚障害)高等部第2学年である。
 生徒は,教科学習やマスメディアから,健康について興味・関心をもっているが,自己の健康管理は十分とはいえない。そこで身近にある「日本茶」を取り上げ,その良さと健康との関連について学習を深めることで,自己の健康管理を意識し,生活の質的向上に役立てることができると考えた。
 また,障害による生活経験不足が指摘され,日本の食文化に関係の深い日本茶に触れることも少なくなっている。そこで,この活動を設定し,日本茶の知識を得て,お茶の入れ方などを体験することで,生活経験を豊かにしたい。
 さらに,校外体験も取り入れ,目的地の交渉や交通機関の利用方法なども調べることで,社会自立に向けた主体的な活動とすることができると考えた。

ねらい(観点)

 自己の生活習慣を見直し,生活の質的向上を考える。(自己管理)
 コンピュータを活用したり調査をしたりして情報を集め課題を解決する。(情報活用・課題解決)
 調べ学習・まとめ・発表の過程から,コミュニケーション能力を高める。(コミュニケーション)
 公共の交通機関の利用等から,周囲の環境を把握する実践的な力を高める。(環境把握)

 展 開 

活  動 時間 内  容
活動計画 スケジュールを立てながら取り組む活動を考える
情報収集 インターネットを使って日本茶について調べる
見学計画 見学するお茶屋の交渉,交通機関等について調べる
見   学 地下鉄を利用して,お茶屋を見学する
追求課題 見学したことから追求するテーマを絞る
中間発表会 追求テーマとその設定理由を発表する
情報収集 追求テーマに関する情報を集める
体験実習 お茶の入れ方を工夫してみる
まとめ 発表に向けてまとめる
10 発表会 追求してきたことを発表する
11 反  省 活動を振り返る
 時間割を柔軟に考え,2時間続きで活動できる時間を確保した。

活動の様子

 活動の前半は,教師の支援で展開することが目立ったが,しだいに生徒の自発的な意見が多く出されるようになり,徐々に主体的な取組となっていった。
 校外の活動では,生徒が試行錯誤しながら依頼の交渉をした。相手のお茶屋には,教師が活動の趣旨の確認をして,理解を求める配慮をした。見学当日は,周囲の人に切符購入の援助を受けたり,目的地を目の前にして迷ったりすることがあった。事前の調査が不足していたことに生徒自身も気付いた。教師側も,立体コピー等で道順等を確認させる支援が必要であったと反省した。見学先では,お茶の試飲をしながら説明を聞き,貴重な体験ができた。店長の話に熱心に耳を傾けることができた。お茶の葉の観察では,視覚以外の感覚を十分に活用し,手触りや香りなどの情報を得ることができた。
 校内での体験実習では,自分たちでお茶の種類や温度などによって入れ方を工夫するといった主体的な探求活動が見られた。
 発表会では,役割分担を行い手際よく進めることができた。お茶の入れ方を実演し,お茶を試飲する体験コーナーを取り入れるなど工夫をした。発表資料として「日本茶と健康」と題した小冊子を発行することができた。

切符の購入 茶の葉の触察 校内発表会

評 価

 ねらいに示した観点に基づき個々の生徒の活動のよさをとらえるようにした。
   自己管理
   情報活用
   課題解決
   コミュニケーション
   環境把握