中学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例
「生活力」をつける指導
          (海の思い出)

 知的障害3名,情緒障害1名という集団である。構想力は弱いが,それぞれ自分なりにのびのびと生活する力をもっている。言葉による表現はまだ不十分ではあるが,友人の良さを素直に認める心をもっている。本校では,あいさつ,言葉遣い,時間厳守、持ち物の整理整頓などといった基本的生活習慣を身に付けさせることを指導の重点としている。それらの指導が単発的でなく,みんなで楽しく,共有しながら一年間取り組めるような活動「海の思い出」を考案した。

 コミュニケーションをうまくとり,まわりの人たちと協力できる。(コミュニケーション)
 見通しをもち,どんなふうに学習していくのか理解することができる。(ものの考え方)
 学習に主体的に取り組み,自分の力で解決しようとする意欲や態度を養う。(興味・関心,意欲)

  

活  動 時間 内  容
海の思い出 海で遊んだ経験について発表する。
潮干狩り 遠足(潮干狩り)の準備をする。
絵日記 潮干狩りの思い出を絵日記で表す。
発表 かいた絵日記を,みんなの前で発表する。
思い出を残そう 思い出を残すために,何を製作するか話し合う。
海の生き物 海に住む生き物を,図鑑などを使って調べる。
はり絵 協力してはり絵を作る(共同制作)。

 1年間を通したテーマを設定することで,クラス全員が一つの課題を共有することができた。その結果として,団結・和・協力など徐々にではあるがクラスとして機能するようになってきた。何よりも驚かされたのは,生徒自ら「次はこれやりたい」と言うようになってきたことである。例えば,海の生き物を調べるために彼らは図書館で調べ学習を始めた。図書室にいろいろな面白い本があることを知った彼らは,毎日図書室に行っては本を借りてくるようになった。インターネットも利用するほどになった。「海の思い出」の共同作業「はり絵」では,みんなで協力しながら作業したり,1年間を振り返りながら楽しい思い出や,ハプニングの話に花を咲かせたりしていた。完成したときには「4人で力を合わせれば,こんな大きなものができるんだね」と喜び合っていた。生徒にとって成就感の味わえる内容だったと思う。

ねらいに示した観点に基づき個々の生徒の活動のよさをとらえるようにした。
   コミュニケーション
   ものの考え方
   興味・関心,意欲