小学校における
「総合的な学習の時間」
活動実践例

ようこそわかば農園へ

 6年生のA子,5年生のB子,2年生のC男の3名である。3人とも,様々な人たちと話したり,一緒に活動したりすることが大好きで,活動への意欲は高い。例えばA子は,修学旅行のときに,いつもと違うメンバーであったにもかかわらず,自分から「次はどこへ行くの」などと積極的に話し掛けることができた。今年度は,共にかかわり活動していただく方々に目を向けさせ,感謝の気持ちを育てたいと考えた。その方法として,わかば農園で育てたさつまいもを利用して,収穫する,プレゼントする,調理する,招待する等の体験を計画した。自分たちの作ったものをプレゼントする活動は,人への感謝の気持ちを表すのだということに気付かせたい。またお客さんたちのお礼の言葉により,大きな達成感を味わわせたいと考えた。

 友達と助け合ってさつまいもを収穫したり,数や形,大きさ調べをしたりする。(興味・関心,意欲)
 家庭でのお手伝いを基に,自分のできる仕事を選ぶことができる。(総合的な思考・判断)
 感謝の気持ちを伝える手紙の書き方を知り,絵や文に表す。料理の仕方がわかり,自分でできる仕事を選んで,最後まで取り組むことができる。(技能・表現)
 お世話になったときのお礼や,交流した時の喜びを伝えたり手紙を書いたりする。(知識を応用し,総合する能力)

  

活   動 時間 内   容
わかば農園でいも掘りしよう 友達と協力しあいながら,さつまいもを掘りおこす。
いもづるで遊ぼう いものつるを使って楽しい遊び方を工夫し,みんなで遊ぶ。
数しらべ・かたち比べ・大きさ比べ さつまいもを数えたり,大きさや形を比較したりして発表する。
作ってみたいな おいもの料理 おいもで作れる料理を知り,自分たちが作る料理を話し合って決める。
挑戦! おいもの料理 いよいよ調理実習に入る。前時に決めたさつまいもの料理をつくる。
招待状を書こう 誰を招待するのかを話し合い,招待状を書く。
おいもパーティをひらこう! 司会をする子,招待状を読む子などの役割分担に従って,おいもパーティを運営する。
ようこそ わかば農園へ これまでの活動をふり返り,次の活動への意欲を高める。

 

 11月半ば,いもほりをした。いもほり体験の豊富なA子は要領よく,掘り始めた。B子とC男は教師の助言を聞きながら掘った。掘り始めると大きく育ったさつまいもが顔を出し,みんな大きな歓声をあげた。いもづる遊びではA子は「指輪」を作り,C男は「なわとび遊び」を楽しんだ。B子はA子に「首飾り」をかけてもらい満足そうだった。100個を越えるさつまいもが収穫でき,多目的ホールで大きさや形の違いを楽しんだ。料理については「ころころおいも」「やきいもチップ」「おにまんじゅう」の3つを作ることになった。調理分担は,それぞれの能力や経験を考えて教師が決めた。おにまんじゅう作りはA子を中心に実施した。包丁で切ることに興味をもち,意欲を見せたからである。皿に盛り付ける仕事はC男,食器を拭く仕事はB子が分担した。体調を崩していたA子だが,がんばって最後までやり遂げることができた。パーティに招待するお客様には,いつも楽しい読み聞かせをしてくれる「きりんの会」の人たちを招くことに決まり,招待状も作った。当日のパーティでは,「きりんの会」の方々の「ありがとう」,「おいしかったよ」などのあたたかい言葉をいただき,3人とも大きな自信と,やり遂げた後の成就感を味わうことができた。会の運営には可能な限り児童の意見を取り入れたため,活動と自分とのかかわりをも強く意識できたと思う。

ねらいに示した観点に基づき個々の児童の活動のよさをとらえるようにした。
   興味・関心,意欲
   総合的な思考・判断
   技能・表現
   知識を応用し,総合する能力