「総合的な学習の時間」中学校特別支援学級指導事例
設定の理由
 @ 地域教材を発掘する。(地域に昔から伝わる民話の取材をする)
 A 地域の人々と多く触れ合い,地域の民話を作る。
 B 校内で通常の学級との交流会を開き相互理解を深める。
 <指導計画>                   
@ 地域の民話を調べる・・・・・・・・・・・・5時間
A インタビューし資料をまとめる・・・・・・・4時間
B 交流会企画 テーマ:友達の輪を広げよう・・5時間
C 民話をまとめて交流会で発表する・・・・・・2時間
D 地域の人とのコミュニケーション・・・・・・3時間

指導過程
  @ A 
単 元     学習内容  指導の実際 留 意 点
○○町の民話について調べよう ・民話を調べる方法について知る。
・役割分担を決める。
・家庭で昔から伝わる話を聞いてくることにより知識を広げる。
・自分が住んでいる地域にも民話があることを知る。
・どこで話を聞けばよいのか,何を調べると分かるのかを知る。
・自分たちの追究の仕方を考える。
・本の好きな生徒が中心となって話しをまとめて,他の生徒からもアイデアを募集する。
・表現指導は市のボランティアの方にも支援してもらい,アクセントや間のとり方を知る。
・何度も練習し音楽や絵がタイミングよく動かせるようにする。
・聞いてきた話を発表する。

・出身地区別でペアを作る。

・地域の人や親類,知人,友人などにも聞き,お年寄りや神社や寺の関係者にも働きかける。

・児童文学を調査する。
・博物館などで調べる。
・市の図書館の地域コーナーで,出版物を調べる。
・関係者にインタビューをする。
・お話の絵をかいて紙芝居をつくる。
・繰り返し読みとって紙芝居を作ることにより,思考力を高める。また、紙芝居をみんなの前で発表し,登場人物の気持ちを考えて表現する。
・自分たちなりの発表の仕方を工夫する。
計画表作り
 
・民話の資料収集
・インタビューをして文にまとめる

指導過程
  B C D























 
単 元     学習内容  指導の実際 留 意 点
交流会について考える ・交流の内容,方法について考える。
 
・学期に1回,年3回実施する。
          
・自分はどんな交流にしたいか話し合う。
計画案づくり ・交流会の日程,役割分担,グループなどを決める。
・生徒一人一人の願いや保護者の願いを計画案に取り入れる。
・関係の人々が参加できる日程の調整や交流している通常の学級の時間割等を考慮する。
交流会の準備・オリエンテーション ・場所,時間,交流をする対象について話し合う。
・交流学習についての説明をする。
 
・各生徒の分担を確認して自分の活動について考え,気付いた点は話し合って問題を解決する。
・司会及び交流会の表現活動すべてについて通して話し合う。
触れ合いクッキング
 
・買い物学習をし,触れ合いクッキングの用意をする。
・何をどうするか,具体的に知る。
・計画を立て,買い物をして,調理実習の準備をする。
 
・買い物は計画書どおりにできたか,おつりや品物に間違いがないかを確認する。
案内状書き

 
・案内状を配布する。
・あいさつや態度に気を付け,きちんと招待状を渡すようにする。
・案内状を書き,交流をしている通常の学級の生徒や教師に礼儀正しく渡せるように練習する。
・時間,場所,内容などを点検し,案内状を書き,家庭や近所の人々にも説明して渡せるようにする。
交流会をする
 
・交流会のねらいを踏まえて,司会や紙芝居係,ゲーム係などの役割分担をして,楽しく交流会をする。
・事前の計画や練習に基づいて,各自が自分の役割を意識し,自信をもって楽しく参加できるようにする。
・会場の配置や会の流れ,小学生との接し方について,臨機応変に対応する。
・不備な点はお互いに話し合ってよりよいものにするように全員で協力する。
 
交流会の反省 ・交流学習の反省会を行う。
 
・地域の人々の生き方に触れることができたか話し合う。 ・各自が分担した役割をきちんと果たせたか反省する。
 

指導の実際
 生徒は実際の聞き取りが断片的になってしまったり,想像やイメージで民話を書いてしまうことも少なくない。調べたり聞いたりしたことをグループ学習で話し合い,互いのよい点を生かして一つの作品にまとめさせることが大切である。また、生徒が各自収集した民話を選択処理し,一つの話にまとめるので,国語科や社会科の基礎的能力が必要である。したがって,普段からの教科別の指導との関連を十分に図っていきたい。
 実際の交流会のときには,自分たちの考えたとおりに進まなかったり,みんなが思ったように動いてくれなかったりすることがあるものと考えられる。そのようなときこそ,まさに「生きる力」を培っていくことができる場であり,自ら行動できる力,考えをまとめ協力する力,直面したことがらを判断する力が総合的に生かされていく場であると考えられる。できるだけ子供たちの自主的な活動を重視し,教師は待つ姿勢を大切にして指導に当たりたい。
評価
  「生徒が自己の生き方を自覚できたか」という点では、自分の地域を知る活動を通して歴史や文化、郷土の先人の活躍を見直し,よさに気付くことができ,自らが課題意識をもって取り組む中で,生き方の変化が見られるようになった。また、「直接体験が中心になっているか」という点では,能力差はあるが活動の中心となってよく働くことができた生徒ばかりである。消極的な生徒はペアを組むことにより興味・関心が増し,基礎的な学習の力が付いてきたと考えられる。さらに,この学習を通して協力的な保護者が増え,特別支援学級に対する理解の輪が一層広がったものと推察できる。
まとめ
 「総合的な学習の時間」のテーマ設定においては,地域の特色,学校行事との関連,社会問題等さまざまな条件がある。教科の枠を超え,各学校の特色や生徒の実態に応じてめあてを決め,障害があっても取り組めるような学び方を工夫させたり,ものを考える独自のアイデアを出させたい。また,生徒が相談し,話し合い,選択できる体験活動の場を作り,学ぶ力を身に付け,自己決定し,それが自分の生活に生かせるようにしたい。少人数のクラスでは,ぜひとも多くの人とかかわり,主体的に生きる力を身に付けさせていきたい。
交流会に参加して(通常の学級の生徒の感想)
 紙芝居は絵があって話の展開がとてもよくわかった。木曽川や尾張弁など本当にあるものがでてきてよかった。
(1年A君)
 少人数でも協力してすばらしい紙芝居でした。一緒に「エーデルワイス」を歌って心が通じ合った気がしました。これからもいろいろ体験していきたいです。
(2年Bさん)